< 東京で名古屋めし!

「長命うどん」東京本店-恵比寿-

2022.06.19(12:00)
ころ/冷やし/ゆつき/ぶっかけ/合盛り・きしめん「長命うどん」東京本店-恵比寿-
長命うどん 恵比寿 冷やしきしめん 汎用 22.06

納屋橋渡り初め
2012/01/28
大正2(1913)年の納屋橋渡り初めで、縁起が良いと「伊勢屋」と共に渡りを務めた「三和弁」が元と言われ、その家系のよさから「長命うどん」の名を、当時の名古屋市長で子は高見順、甥は永井荷風である阪本釤之助から勧められたと言われる神野家。
今でも「長命うどん」本店の代表者は神野さんになっていますので、阪本市長の見立ては正しかったのだと思います。

ご一緒だった「伊勢屋」は「納屋橋饅頭」となり、筆者世代ですと“どんぐり音楽会”のスポンサーとして・名古屋名物として、隆盛を極めた時期を知っていますが、やはり、長く続けるということは大変なことなのだと気づく今日この頃です。
注:「三和弁」=「山輪辨」=「みわべん」




上記の文は今から10年前、別のエビデンスブログで私が書いた「長命うどん」の記事冒頭です。
「納屋橋饅頭」は今年の1月、暖簾分け店閉鎖とともに残念ながら製造販売中止となりましたが、もう一方の「長命うどん」が去る4月、東京・恵比寿へ出店すると聞いた時の筆者の驚きというか心配というかものすごく複雑な気持ちになったこと、今でも脳裏に浮かびます。

東京には知っている限り名古屋と同じ<きしめん>は存在しません。
かつて、日本で唯一の本格的名古屋めしブロガーであった筆者から見て、東京で名古屋の重層的で複雑な麺文化が分かる人は皆無です。

長命うどん東京本店 恵比寿 22.06

「長命うどん」とは何か?どうゆうお店なのか?ということは長くなるのでこれ以上は述べません。
ただ、現在失われつつある名古屋の麺文化の伝統的な部分の一部を、今「長命うどん」本支店などが支えていること間違いなく、それはメニューの商品名で表現されています。

せっかく、名古屋の本物が来たのです東京・恵比寿に。
しかも、大衆店が名店の衣をまとい装いも新たに。

当ブログ、名古屋めしの解説は6年前に終了しましたが、今回は何回か実際に訪れてみて、いただいた独特な商品名を起点とし、名古屋の麺文化の簡単な説明を試みたい思います。

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最初は“ころ”:初日
長命うどん 恵比寿 ころ きしめん 22.06

“ころ”とは<熱くないかけ>を意味します。
令和四年の現在では多くが冷たいかけつゆになっていますが、経験的には冷ましです。

名古屋の“ころ”には以下のパターンで、
・おつゆの温度
・おつゆの量
・おつゆの濃さ
・具
など組み合わせがありお店によって複雑に異なります。
なので、私は“ころ”で論文が書けそうといつもつぶやいています。

また、発祥にも議論があり大きく「香露」説と「ころまる」説がありますが、筆者は「ころまる」説派です。
私にとって思い出の“ころ”は公設市場の“ころ”であり、大衆店「長命うどん」の“ころ”の見た目は記憶そのもの本物です。

今回いただいた“ころ”の印象は、きし麺が名古屋標準よりこしがあるのと、おつゆが若干うすいといいますかムロアジの出汁をあまり感じない仕上がりになっています。

大衆店より高級な麺類食堂店の“ころ”は、商品<きしめん>と同じように揚げ・ほうれん草・名古屋蒲鉾・削り節が載る“ころ”が一般的になります。

あと、麺類食堂のおつゆは赤つゆと白つゆが普通に存在しますが、志の田の“ころ”がある場合そのおつゆは白つゆの“ころ”です。(ただしこれが存在する店はごくまれ)

感覚的になりますが、夏季であれば今でも8割ぐらいの麺類食堂で“ころ”は提供されていると思います。

きしころ 長命うどん 注文用QRコード

“ころ”を説明する基準は

◎熱くない→と書ける人はよく分かっている方
○冷まし
△冷たい
×冷やし
と筆者は規定しています。

現状、麺ツウなど多くの人が“ころ”は冷やしと言ってしまってます。
では、なぜ冷やしではダメなのかは次の商品で。

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“冷やし”:2日目
長命うどん 恵比寿 冷やし きしめん 22.06

“冷やし”とは<冷水に浸かった麺をつけ汁で>食べる形態です。
つまり、名古屋では“ころ”とは別の商品を意味します。
“ころ”を冷やしと表現すると、店での注文時混乱することこの上なし。

長命うどん 恵比寿 ちくわ天 22.06

感覚的になりますが、夏季であれば今でも4割ぐらいの麺類食堂に“冷やし”は存在すると思います。
夏に冷麦を出すお店ですと、同じ形態のうどんなりきし麺なりの“冷やし”がある可能性は高くなります。
現存するかわかりませんが、かつて黒川「若鯱家」にカレー絹うどんの“冷やし”がありそれは、絹うどんをカレーのつけ汁で食べる形態であったと記憶しています。

今回いただいた“冷やし”の印象は、少しつけ汁が薄く感じました。

次の商品はこの“冷やし”の対となる商品です。

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“ゆつき”(湯つき):3日目
長命うどん 恵比寿 ゆつき きしめん 22.06

“ゆつき”とは<温水に浸かった麺をつけ汁で>食べる形態です。
画像だけですと“冷やし”と“ゆつき”、にわかには区別がつきませんね。

この名称の商品があるお店は今、麺類食堂の1割もないのではないかと思います。
個人的に「長命うどん」以外でこの商品を出す店を筆者は、名古屋市内で1店舗しか知りません。
10年前、別のエビデンスブログで「長命うどん」を採り上げた時に食べたのも、この“ゆつき”でした。

10年前は熱湯だったと記憶していますが、今回の恵比寿ではゆで汁です。
つけ汁も温かいもので結構濃く感じました。

長命うどん 恵比寿 ゆつき 拡大 22.06

次の商品は以前“ころ”がよそ様へも知られるようになった時、名古屋の麺文化に疎い麺ツウに間違って比定されていた商品です。

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“ぶっかけ”:4日目
長命うどん 恵比寿 ぶっかけ きしめん 22.06

そもそも名古屋の「長命うどん」に“ぶっかけ“などという商品はありません。
東京のより多くの麺好きに喉越しが売りの「長命うどん」の麺を食べていただきたく、恵比寿は訴求力を持つ“ぶっかけ”を設定したものと思われます。

“ころ”はもちろん“ぶっかけ”では説明できませんが、強いていえば鯱系カレーうどん店にある凝縮系の“ころ”は似ているかもしれません。

今回はぶっかけ用つけ汁を追加で注文しましたがその必要はなく、卓上にある特製醤油を文字通りぶっかけることで、きし麺のうまさを十二分に引き出せる仕上がりになるようです。

長命うどん 恵比寿 ぶっかけ 拡大 22.06
長命うどん 恵比寿 ぶっかけ用つけ汁 22.06

次はいよいよ最後の商品、「長命うどん」のキラーコンテンツが登場です。

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きし中の“かけ”:楽日
長命うどん 恵比寿 かけ きし中 22.06

詳しい説明は致しませんが、私は商品<きしめん>において完全なる「雉めん」説派です。
つまり、名古屋の<きしめん>に単純な“かけ”なぞあってはならないのです。(笑)
ですから、筆者が大衆店「長命うどん」で食べるべき“かけ”はきし麺単独ではありえず、“合盛り”の選択になります。

個人的には「長命うどん」東京本店で一番食べてみたかったのがきし中の“かけ”。
その日がようやくやってまいりました。

“かけ”の説明は必要ありませんね。

きし麺と中華麺の二玉の“合盛り”は、食事制限がかかっている私には量が多すぎ、本日が人生最後の注文であろうと覚悟の上…だったのですが、それぞれ半玉でした。

噂に聞く中華麺の場合おつゆが違うというのは本当かもしれない。
そして、その中華麺がすこぶるうまいのです。
注文したきし中以外にも、うどんとのう中、蕎麦とのそ中、そして、三種混合うそ中など中華麺との“合盛り”に麺ツウが惹かれるのもさもありなんと思わせます。

大変美味しくいただきました。

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今回は商品説明のためきし麺シバリで通しました。
現在の名古屋では「長命うどん」のきし麺の1.5倍はある幅広麺に勢いがありますが、私はこの幅ぐらいが記憶のきし麺です。

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長命うどん 恵比寿 提灯 暖簾 22.06

「長命うどん」東京本店。

ブログ用に計5回訪問、約半月かかりました。
恵比寿駅駅近で、真面目で清潔感もあり本当にいい店です。

QRコードによるスマホモバイルオーダーも、バーコードによる機械精算も慣れてしまえば逆に気が楽ですし、現代大衆店の一つのソリューションともいえると思います。

長命うどん 恵比寿 献立表 メニュー 22.06

この記事をここまで読まれた皆様は、ころ・冷やし・ゆつきなど名古屋での言い回しがピンと来なくとも、画像がありますので商品の解読が容易になられたはず。

あとは、基本的に麺の種類と量を選ぶだけになります。

長命うどん 恵比寿 看板 22.06

私もすでにいい年齢ですが、「長命うどん」の名古屋でのプレゼンスは筆者よりもっと上の世代であり、若い名古屋出身者で知らないという方はおじいちゃんおばあちゃん(できればもっと上、町内の長老とか)に聞いてみてください。

大正二年当時、名古屋市長が贈った「長命」という名のサスティナビリティ。
東京向けにおつゆの味など修正しながら恵比寿で持続可能性を模索中。

「長命うどん」東京本店の成功を、ひとりの名古屋出身者として祈念しております。

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これが東京で食べられるなら-池袋-

2022.09.11(14:00)
鬼まんじゅう「口福堂」池袋ショッピングパーク店
鬼まんじゅう 東京 口福堂 池袋 22.09

鬼まんじゅうです。

鬼まんじゅう 口福堂 池袋店頭 22.09

以前、通年でラインナップすると案内があった記憶もありますが、店頭の展開はやはり秋だろうと覗いてみたところどどんと。

口福堂 柿安 池袋ショッピングパーク店 22.09

上野駅に出店していた「浪越軒」は名古屋のお店自体が閉業してしまい驚いたのですが、「柿安」ならその心配はありません。

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カエルコール世代です!-浅草-

2022.06.05(12:00)
カエルのミルク風呂「青柳総本家」浅草店
カエルのミルク風呂 青柳総本家 浅草店

「青柳総本家」は昨年の10月頃、この位置より北の浅草警察署あたりにあるKitchenBASE浅草内へ出店。
そこには青柳本体の和菓子部門のほかに、あんかけスパのキッチンもありました。

機会を見て購入しようと思っていたのが遅くなり、今年の2月だったか訪れた時にはすでにあんかけスパのキッチンはなく(12月頃には閉めた模様)、その時は今話題のケロトッツォを購入。

その後、特段ウォッチしていなかったのも束の間、4月1日のオープン前日あたりで気がついた「青柳総本家」浅草店です。

青柳総本家 浅草店 22.06

浅草店はアンテナショップの色彩が濃く特定の商品しかありませんが、KITTE名古屋店にしかなかったキラーコンテンツの“カエルのミルク風呂”を東京へ持ち込み意気込みは十分。

購入してみましたが6月にしては暑い日でしたので、爽やかなミルクセーキが体に心地よく大変美味しくいただきました。

欠点としては、店内に座れる場所がないのでこの商品を購入した場合雨の日などは苦労するのではないかと思います。
秋にはまた訪れたいと思っています。

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15年ぶりのみそかつ定食-渋谷-

2022.01.28(12:00)
みそかつ定食「奥三河」渋谷区鶯谷町
みそかつ 奥三河 渋谷鶯谷 2022

昨年Twitterのフォロワーさんとコノお店の件でやり取りをすることがあり、忘れないうちに今回時間を作って訪れる。
調べてみたら前回訪れたのは何と15年前の2007年。
入店して思い出したのは、その時はフランス・パリへ行く直前でみそかつを食べに来たのだった。

みそかつ定食 奥三河 渋谷 2022

風流とんかつ 奥三河 渋谷区鶯谷町 2022

店内は変わっていないと思う、15年前の前回は入って右手のカウンターで。
その前は奥左の座敷で。
その前はたぶん…。



20年ぐらい前まで東京では名古屋の味噌カツのたれは甘いと言われていて、今でも八丁味噌が甘いなどと変なこという人がいる。
人の知識なんてそんなもんだね。

「奥三河」では知っている限り当初からソコを意識しコチラのみそだれは名古屋標準より辛旨になっている。
そして、記憶に間違いなければ以前より今のほうが洗練された味になった。

「矢場とん」が東京進出する前からみそかつが食べられる店と知っていた「奥三河」
今回おそらく4回目。
とすると、初めて訪れたのは平成10年前後か…もう覚えてないな。

「奥三河」が令和4年の今でも存在することに感謝しかない。

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喫茶店全盛期の昭和のお店-新大久保-

2021.10.13(12:00)
Wたまごのナポリタン「シュベール」新大久保店
ダブルたまごのナポリタン シュベール 新大久保

当ブログ、かつて「シュベール」の調布店で<Wたまごのナポリタン>を採り上げたことがあるが、その調布店はすでに閉店し、今回は新大久保店を訪れる。

新大久保駅前 喫茶店 シュベール

初めて名古屋から東京へ一人で来てから幾年月。

恐らく山手線の新大久保駅で降りたのは初めてだと思う。

食後に辺りを少し歩いたが、昼から何やってんだ解放感満載で確かにアジアっぽい。

シューベール新大久保 入口

信号がなければ改札出て30秒でお店に到着。

昭和の喫茶店の2階入り口の前に立つ。

入店し言葉で案内があり席に着き目的の<Wたまごのナポリタン>をセットで注文ししばらく待つ。

スペシャルセットメニュー シュベール 新大久保

そう、これだ。

名古屋でいうところのイタリアン。

シューベールの鉄板スパは先敷きの玉子に見える。

個人的な名古屋の思い出も、よく訪れた喫茶店は先敷きであった。

昭和風の平らに盛り付ける見た目もグッド。

味も大変懐かしい。

たまご敷で熱さを調整するのも子供のころから慣れ親しんだ方法。

完璧だ。

また訪れたい。

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